しの吉日記

毎日の出来事や歴史について思うことあれこれ

蜜蜂と遠雷 観てきました

渋谷の東宝シネマで『蜜蜂と遠雷』を観た。

https://mitsubachi-enrai-movie.jp/

昔、「観てから読むか、読んでから観るか」というキャッチコピーがあったけれど、この映画に限って言えば、読んでから観る、一択(以下ネタバレ)

 

2時間足らずの尺に修められたドラマは、原作では細やかに描かれていたそれぞれの葛藤や人間関係を描ききれておらず、そのためコンテスタントがなぜ仲良く砂浜へ遊びにいくのかとか、審査委員長(斉藤由貴)と、審査委員がなぜ思わせぶりな会話を続けているのかとか(かつて夫婦だった)、全くわからない。極めつけはラスト、生活者のピアノを目指して二次予選で敗退した高島明石(松坂桃李)の奨励賞受賞のヤマ場が見事に切られており、ただのコンクール映画になっていたのが残念でならない。

栄田亜矢(松岡茉優)が、ラスト雨だれをモチーフにしたようなステージ衣装をきらめかせながら舞台へ向かう後ろ姿がとても美しかった。

ショパンの雨だれが通底している美しい映画だったからこそ、短く切り詰められてしまったのが惜しい。個人的にはあと1時間長くてもよかったと思う。↓に単行本を貼っておくので未読の人はぜひに(文庫本もあり)

 

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

 帰りに、新しい単行本が出ていたのでゲット。スピンオフの作品が出ています。ここにも高島明石の姿がない。なんでだよぉおおお。其れ以外はとてもよい短編集。春と修羅の作曲の経緯とか、あの元夫婦のその後とか、亜矢とマサルと塵の楽しいツアーとか。

 

祝祭と予感

祝祭と予感